もともとPCR検査というのは、新型コロナ専用に開発された検査ではなく、1990年代からさまざまな用途に使われてきた検査法です(試薬を変えることで様々な用途に応用できます)。
この記事内での「PCR検査」という言葉は、「新型コロナ用のPCR検査」という意味です。
大橋元教授の主張から生まれたデマ
以下のような画像を出して「PCR検査は新型コロナウイルスだけでなく他のウイルスや菌でも陽性になる。公表されてる新型コロナの陽性者数はデタラメだ!」と主張する人がいますが、それは間違っています。
このデマは、マルチプレックスPCR検査のことを知らなかった大橋眞・元教授が、その検査キットの説明書に書かれていることを誤解したことから拡散したと言われています。
マルチプレックスPCR検査とは、複数のウイルスを同時に検査できるPCR検査キットのことです。
新型コロナ含む10種を同時検査可能な機器、日水製薬が発売へ
https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/02/28/06629/
ちなみに、国内認可されている検査キットの説明書には、他のウイルスや菌と交差反応をしない(間違って判定しない)ことも明記されています。
(例)検査キット「ジーンキューブ HQ SARS−CoV−2」の説明書より
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/ivdDetail/ResultDataSetPDF/480210_30200EZX00074000_A_01_01
- 厚生労働省 新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品(検査キット)の承認情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_11331.html - SARSコロナウイルス核酸キット 説明書
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/ivdDetail/GeneralList/30200EZX00017000_A_01
武田邦彦氏の主張から生まれたデマ
武田邦彦氏(中部大学教授)が、4月15日頃より、YouTube動画(現在削除されています)で次のような主張をしたとされています。
新型コロナウイルスと普通の風邪の原因となるコロナウイルスの遺伝子は似ているため、遺伝子検査であるPCR検査ではどちらでも陽性反応が出る。したがって、PCR検査は新型コロナの検査として意味がない。
しかしこれは武田氏の知識不足による誤解であることが分かっています。
PCR検査は新型コロナウイルスに特有の遺伝子情報(RNA配列)をもとに行われるため、普通の風邪のコロナウイルスを検出することはなく、新型コロナ感染者のみを陽性と判断することができます。
[新型コロナFactCheck] 「PCR検査は風邪も検出」と誤った主張の動画が拡散https://infact.press/2020/06/post-6304/?
その他の参考記事
「PCR検査は他のインフルやマイコプラズマにも反応する」はデマ(伊賀治氏)
https://note.com/osamu_iga/n/n9ed6a6e79808?magazine_key=mfaf99a19d1c5
「コロナウイルスPCR検査はコロナ以外のウイルス、細菌でも陽性になることがあるというデマについて」
臨床獣医師タツハル氏
https://tatsuharug.com/corona-false-rumor?
「新型コロナのPCR検査はインフルエンザ等の他のウイルスでも陽性になる」はデマ(安川康介@米国内科専門医)
いまだに新型コロナのPCR検査は、インフルエンザ等の他のウイルスでも簡単に陽性に出る、と騙されている人がいます。新型コロナのPCR検査の特異度は高く、私の病院でもインフルエンザ等のPCRと同時に行うことがありますが、両方陽性にはなりません。騙されている人がいたら、これを送ってあげて下さい
https://twitter.com/kosuke_yasukawa/status/1432448040846049280
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PCR検査キットの説明書には以下のウイルスにも陽性反応を示すと記載 インフルエンザA型 インフルエンザB型 RSウイルス アデノウイルス パラインフルエンザ マイコプラズマ クラミジア これTVに出てる専門家は誰も言わない。大事よね 新型コロナウイルス感染爆発のカラクリ なんでもかんでも陽性