デマの内容
以下のような画像を出して「テレビ局は新型コロナが嘘と知ってるから防護服を着てない」と主張する人がいますが、デマです。
解説
鳴尾浜球場の消毒作業
下の写真は、2020年3月26日、阪神タイガースの鳴尾浜(なるおはま)球場のプレスルームの消毒作業をしているところです。
上の写真は2020年3月27日の産経ニュースの記事に載せられた写真です。
記事によると、3月26日、プロ野球阪神の藤浪晋太郎投手が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応を示し、一緒に食事をしていた伊藤隼太選手、長坂拳弥選手の2名も陽性反応を示したことから、同日、念のために、球場のあちこちの消毒作業をしているときの1場面です。
このプレスルームでクラスターが起きたわけではありません。
プロ野球選手3人がどこかでウイルスをもらって感染したから、球場全体にくまなく新型コロナウイルスがべっとりついていると想定して対処すべきですか? それはやりすぎでしょう。
最近(現在2021年5月)になって分かってきたことですが、接触感染による感染の確率はかなり低いことが分かってきています。
換気や、マスクなどによる飛沫・マイクロ飛沫対策のほうが遥かに重要です。
つまり、画像のカメラマンたちのような軽装でも、ほとんど問題ないと言える状況です。
防護服を着ている消毒作業員たちは消毒作業が仕事なわけですから(感染の危険がある場所へ何度も行くし感染確率が高い場所へも行く)、普段から防護服を着ているだけです。サラリーマンのスーツ、野球選手のユニフォームみたいなものですから、作業継続中にいちいち着替えるほうが面倒でしょう。
また、普通に考えれば、部屋の消毒作業が終わった後で、カメラマンの要望に応じる形でカメラマンを部屋の中に入れて撮影したと考えるのが自然でしょう(カメラマンが大勢部屋の中にいたら消毒作業の邪魔です)。
ナゴヤ球場の消毒作業
こちらは中日ドラゴンズのナゴヤ球場のケースです。
カメラマンが防護服を着る必要が無い理由については、前述の鳴尾浜球場のケースをお読みください。
前述のように、3月26日に阪神タイガースの伊藤隼太選手が新型コロナ陽性と判定されたわけですが、伊東選手が3月20~22日に試合のためナゴヤ球場を訪れていたため、ナゴヤ球場でも3月30日に消毒作業が行われました。
下の写真は、ベンチの消毒作業をする作業員。
下の写真は、階段の手すりを消毒する作業員。
下の写真は、一塁側ベンチのホワイトボードを消毒する作業員。
病院の通路
以下のような画像を出して「(テレビのニュース報道で)汚染区域に防護服を着ていないカメラマンが映ってるぞ!やらせの撮影だ!コロナは嘘だ!」と主張する人がいますが、デマです。
- 汚染区域というのは、たとえば感染症のクラスターが起きたクルーズ船内のように、汚染された場所を言います。この動画は病院内の通路のようです。汚染区域ではありません。
- 動画に映ってる場所は密室ではなく、患者は素早く移動中であり、患者からは距離があり、患者はビニールに包まれているので、万が一にも患者の飛沫やエアロゾルがカメラマンにかかるとは思えません。
従って、カメラマンが防護服を着る必要は無いと考えられます。
防護服を着てる人は、感染している恐れがある人の部屋の中に入ったり、患者に触れなければならないから防護服を着てたのでしょう。 患者を部屋の外に出してビニールに包めば、周囲に害はありません。