以下のような画像を出して「ファイザーのワクチンは感染予防効果が明らかになってないんだって!打っても意味ないよ!それどころか有害だよ!」と主張する人がいますが、デマです。
現時点では感染予防効果は明らかになっていません。
上記画像のソース(ファイザー製の新型コロナワクチンの[接種者向けの]説明書)はこちら。
https://www.mhlw.go.jp/content/000739391.pdf
なお、この文書はファイザー社が出しているワクチンの添付文書ではありません(ファイザー社発行の添付文書には「感染予防効果」に関する記述はありません)。この文書は厚労省が接種者向けの案内として作成しているものであり、記載情報の更新が遅れている場合もあるようです。
感染予防効果が証明されました(2021年6月9日)
◆2021年6月9日、CDCから「mRNAワクチンは91%という非常に高い感染予防効果がある」という報告が出ました。
感染そのものを防ぐ効果
リアルワールドにおいて、2つのmRNAワクチンは91%という「ぱねえ」感染予防効果を示した(ファイザー 93%、モデルナ 82%)とアメリカCDCから報告されています。
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20210613-00242740/
◆FDAが「新型コロナワクチンのファイザー製、モデルナ製のそれぞれで、感染予防効果が86.1%と93.3%」だと認めました。他にも入院予防効果は88.8%と86.0%、ICU入室予防効果はいずれも100%でした(米国5州健康保健データ136,532例データ解析)。
※ 以下の記事内容は少し古い情報になりますが、このまま残しておきます。
ワクチンの主目的は「感染予防」ではなく「発症・重症化の予防」
- 新型コロナワクチンの主目的は、ワクチンを接種することにより体内に免疫(抵抗力)を作り(または強化し)、感染症の発症あるいは重症化を予防することです。
- また、多くの人がワクチンを接種することで(多くの人が免疫を獲得することで)、集団免疫効果(集団の中に感染患者が出ても感染拡大が抑えられる)が期待できます。
- さらに、ワクチンを接種することができない人への感染を防ぐことにもつながります。
仮にワクチンの感染予防効果が認められない場合でも、上記の理由により、ワクチンを接種する意味・恩恵は十分にあるわけです。
2021年4月21日時点では、ファイザー製ワクチンの発症予防効果は94%、重症化予防効果は92%あると報告されています。
実は感染予防効果もあることが分かってきた
感染予防効果の調査は難しいが…
新型コロナの場合、感染しても発症しない人が多いことから、ワクチン接種によって感染予防効果があったかどうかを調べることが難しいと言われてきました。そのため(感染予防効果があるだろうとは予想されていたものの)ファイザーの新型コロナワクチンの説明書には「現時点では感染予防効果は明らかになっていません」と記載されたわけです。
「現時点」とは、ワクチンの治験が終わった直後の段階です。
しかし良いニュースがあります。
感染予防効果もあることが明らかになってきた
ファイザー社(そしてモデルナ社)のワクチンは、治験終了直後は感染予防効果が明らかになっていませんでしたが、その後の調査で感染予防効果があることが明らかになってきました。
米医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の報告(2021年2月24日)
世界で最も速いペースでワクチン接種が進んでいるイスラエルで、イスラエルの保健機関やアメリカのハーバード大学などの研究グループが、ファイザーのワクチンの実社会での効果を調べた論文を2021年2月24日にアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に発表しました。
この論文によると、ワクチンの2回目の投与を受けたあとの発症予防効果は94%、重症予防効果は92%、そして、無症状の人も含めた感染予防効果が92%あったということです。
「Q.ワクチンによる感染そのものを防ぐ効果は?」(2021年4月12日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_01.html#mokuji4
ファイザー社の発表(2021年3月12日)
米製薬大手ファイザーは11日、同社の新型コロナウイルスワクチンについて、無症状のコロナ感染を予防する効果が94%に上ったとするイスラエルでの調査結果を発表した。
「無症状感染にも予防効果 ファイザーのコロナワクチン」
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021031200207&g=int
米疾病対策センター(CDC)のデータ(2021年3月30日)
米ファイザー、モデルナがそれぞれ開発した新型コロナウイルスのワクチンは、発症だけでなく感染自体を高い割合で防ぐことが米疾病対策センター(CDC)のデータで明らかになった。
CDCが29日公表した調査データによると、いずれかのワクチンを2回接種した後では感染を90%抑制する効果があった。
「ファイザー とモデルナのコロナワクチン、実世界でも高い予防効果」
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-03-29/QQQKLTT0G1L401
アメリカCDCの報告(2021年4月2日)
また、アメリカのCDC=疾病対策センターは感染そのものを防ぐ効果についての研究結果を2021年4月2日に明らかにしました。
それによると、ファイザー製またはモデルナ製のワクチンの接種を受けた医療従事者などを対象に、その後に新型コロナウイルスに感染していないかを調べたところ、無症状の人も含めて感染そのものを防ぐ効果は90%あったということです。
「Q.ワクチンによる感染そのものを防ぐ効果は?」(2021年4月12日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_01.html#mokuji4
英医学誌ランセットでの報告(2021年5月5日)
米製薬大手ファイザー製の新型コロナワクチンを導入したイスラエルで1月から4月の感染状況を分析した結果、2回接種から7日を経ると95・3%の感染予防効果が見られたと、同社やイスラエル保健省などのチームが英医学誌ランセットに5日発表した。
「ファイザー製、95%感染予防 イスラエルのワクチン接種分析」
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/749228
横浜市立大の研究チームの報告(2021年5月13日)
ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンを2回接種した日本人の9割に、英国型などの変異ウイルスの感染を防ぐ可能性がある抗体ができると発表した。
英国型に対して接種者の94%の抗体が十分な感染予防効果を示した。南アフリカ型には接種者の90%、インド型には97%、従来型(欧州型)には99%と、いずれも高い効果が見込まれた。
「ワクチン2回接種した人の9割に、変異型の感染予防効果…英国・南ア・インド型」
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210512-OYT1T50186/
米国医師会雑誌(JAMA)に発表された2つの研究(2021年5月22日)
新型コロナウイルス感染症のワクチンを接種した人は、症状が表れる感染例だけでなく、症状の出ない感染例の発生率も有意に低いことが、今月、米国医師会雑誌(JAMA)に発表された2つの研究で示された。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)では、感染しても症状の出ない感染(無症状感染)が感染拡大の一因となってきた。今回の研究結果はまだ予備的なデータに基づくものだが、世界規模でワクチン接種を進めていくうえで非常に重要な情報だ。
「新型コロナワクチン、無症状感染の予防にも効果 米などで暫定結果」
https://forbesjapan.com/articles/detail/41479
ケンブリッジ大学(2021年6月24日)
新型コロナワクチン(mRNAワクチン)の無症状感染予防効果は2回接種接種後8日経過後で90.6%。1回接種後15日〜2回接種後7日まででの予防効果は41.7%、1回接種後7日まででは効果は見られなかった(16723件スクリーニング解析(Infect Contol Hosp Epidemiol 2021 Jun.24))
Coronavirus disease 2019 (COVID-19) mRNA vaccine effectiveness in asymptomatic healthcare workers
その他複数の国からの報告
このほか、ワクチンの接種後、高齢者施設や医療従事者の感染が大幅に減ったという報告が複数の国から出されています。
「Q.ワクチンによる感染そのものを防ぐ効果は?」(2021年4月12日時点)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_01.html#mokuji4
検索キーワード:感染予防効果 感染の予防効果 感染予防の効果 感染の予防の効果 感染防止効果 感染防御効果