デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

ワクチン接種後に手足にアザが出たLuz Legaspiのケース

次のような画像を出して「ワクチンを接種したせいだ!」と大げさに騒いでいるデマッターがいますが、結論から言うと、ワクチンを接種していない人の間でこの病気になる人の割合のほうが遥かに多いので、偶然の可能性が高いです。

上の画像は、入院中のLuz Legaspiさん(右側)。

下の画像は、約2週間後に回復したLuz Legaspiさん。

経緯

米国ニューヨーク市クイーンズに住む72歳のLuz Legaspiさんは2021年1月18日にモデルナ社の新型コロナワクチンを接種しました。

ワクチン接種済み人数

ちなみにこのとき、米国ではすでに1,360万人の人がワクチンの接種を済ませています(1月18日のデータが表示されなかったので19日のデータです)。

翌日の1月19日、免疫性血小板減少症(ITP、血小板の不足)を発症し、腕や脚に打撲痕のようなアザが出たため、ニューヨーク市のエルムハースト病院に入院。

約2週間後の2月2日には回復し、クイーンズのアパートに帰りました。

ワクチンとの因果関係は不明(おそらく偶然)

ファクトチェック記事は次のように伝えています。

「VERA FILES FACT CHECK: Filipina abroad develops blood disorder after getting Moderna jab, but link is UNCERTAIN」
「ファクトチェック:モデルナ社のワクチンを接種したフィリピン人が血液障害を発症。因果関係は不明」(2021年2月20日)
https://verafiles.org/articles/vera-files-fact-check-filipina-abroad-develops-blood-disorde

The agencies were also reported as saying that the cases could be “coincidental” since the rates of the vaccinated people with the condition “did not appear higher than the rates normally found in the U.S. population.”

当局によると、このケースは「偶然」である可能性がある。なぜなら、新型コロナワクチンを接種した人のうち、このようになった人達の割合は、「米国人口の中で通常発生する割合よりも高くは見えなかった」から。

 

“ITP has also been observed as a possible reaction to COVID-19 among those without the vaccine at much higher rates than following the vaccine. Up to 10% of patients with mild disease and 20% in those who are severely affected,” they added.

「ITP(免疫性血小板減少症)は、新型コロナによって起こり得る反応としても知られており、ワクチンを接種した人よりも接種してない人達の間で遥かに高い確率で発症しています。最大10%の患者が軽症であり、そのうちの20%が重症です」と彼ら(世界的な非営利団体Meedanによって召集された健康の専門家と研究者のチーム)は付け加えた。

 

また、2021年2月20日投稿のこの記事では、以下のように、米国で36人ほどがワクチン接種後にこの症状を発症したと書かれています。この時点で米国のワクチン接種人数は4千281万人なので、ワクチンを打った人のうち1,189,167人に1人(0.000084%)が発症したことになります。

The blood disorder has occurred in at least 36 people in the United States who got inoculated with either Moderna or Pfizer’s COVID-19 vaccine, according to news reports.

ニュース報道によると、血液障害は、モデルナまたはファイザーの新型コロナワクチンのいずれかを接種された米国人のうち、少なくとも36人で発生しました。

 

その他の記事より。

「A Few Covid Vaccine Recipients Developed a Rare Blood Disorder」
「新型コロナワクチンを接種した少数の人達が稀に血液障害を発症」(2021年2月8日)
https://www.nytimes.com/2021/02/08/health/immune-thrombocytopenia-covid-vaccine-blood.html?smid=tw-share

the reporting system shows only problems described by health care providers or patients after vaccination, and does not indicate whether the shots actually caused the problems.

報告システム(ワクチン有害事象報告システムVAERS)は、医療従事者またはワクチンを接種後の患者によって報告された問題をそのまま示しているにすぎず、実際にワクチンが原因となって起きた問題かどうかを示すものではありません。

 

rates of the condition in vaccinated people did not appear higher than the rates normally found in the U.S. population, so the cases could be coincidental. Overall, the vaccines are considered safe. A small number of severe allergic reactions have been reported, but they are treatable, and the rates are in line with those reported for other vaccines, regulators say.

予防接種を受けて同様の症状が出た人の割合は、米国の人口において通常見られる割合よりも高くないようでした。したがって、今回のケースは偶然である可能性があります。概してワクチンは安全であると考えられます。重度のアレルギー反応がわずかに報告されていますが、それらは治療可能であり、その率は他のワクチンにおいて報告された率と変わらない、と当局は説明しました。

 

Ms. Legaspi’s bruising cleared up after a change in treatment, and she was released from the hospital last week.

レガスピさんのアザは治療法を変更した後に消失し、先週(2020年2月2日)退院しました。

 

デマにご注意

以下のような嘘を流している人がいますが、治療にあたった医師がこのようなことを言った事実はありません。騙されないでくださいね。

治療にあたった医師は「医学的にはワクチンが関与しているのはほぼ確実であろう」とコメントしております。

注意

新型コロナワクチンを打ったせいで皮膚に異常が起きたとされるネット上の画像のほとんどはデマです。だまされないようにしましょう。

引用されている画像/動画/文章のソース(出所)が明示されていないものは信じるに値しません。ワクチンとは全く関係ない画像を持ってきて「ワクチンのせいだ!」と虚偽の主張をしている画像がほとんどです。

ごく稀な例として、ワクチンがキッカケになって発症したと認められたケースもあるようですが、その症状は新型コロナワクチンに限って起きるわけではなく、感染症や薬剤に対するアレルギーとしてごく稀に起きることが知られています。「多形滲出性紅斑」で画像検索すれば、新型コロナワクチンとは無関係な同様の皮膚症状を確認できます。

 

 

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