次のような画像を出して「S.B ポンセ医師がワクチンのせいで流産した」と思わせようとする人がいますが、デマです。
ポンセ医師のワクチン接種と流産の因果関係は認められておらず、ポンセ医師の情報をワクチン反対の材料に使うことは、ポンセ医師が表明している要望にも反しています。
因果関係は認められていない
ポンセ医師が新型コロナワクチンを接種し(2021年1月29日)、その後、流産したとツイートで報告している(2021年2月5日)のは事実ですが、ワクチン接種との因果関係は認められていません。ポンセ医師も「ワクチンのせい」とは一言も言ってません。
the tweets on their own don’t prove that the COVID-19 vaccines cause miscarriage. This is an example of the logical fallacy known as post hoc ergo propter hoc, as the claim is based solely on the fact that the miscarriage happened after the vaccination, without any other evidence for support.
ツイート自体は、新型コロナワクチンが流産を引き起こすことを証明するものではありません。これは、前後即因果の誤謬(ぜんごそくいんがのごびゅう)として知られる論理的誤謬の例です。この(第三者のデマッターの)主張は、ワクチン接種後に流産が発生したという事実のみに基づいており、他の裏付けとなる証拠はありません。
ある事象が別の事象の後に起きたことを捉えて、前の事象が原因となって後の事象が起きたと判断する誤謬(因果の誤謬)である。前後関係と因果関係の混同。(中略)
時系列に因果関係があると見なす点で誤りとなる傾向がある。誤謬は、因果関係を否定するような他の要因を無視し、事象の順序だけに基づいて結論を導くことで生じる。身近なところでは、迷信や呪術的思考の多くはこの誤謬に分類される。(Wikipedia)
こちらの画像は、Facebookに投稿されたポンセ医師に関する話がデマと認定されたことを示しています。
ポンセ医師の要望「反ワクチンに利用しないで」
最初に示したデマ画像の中の説明「(ポンセ医師は)ワクチンに敢えて関連づけなかった」は、「ポンセ医師はワクチンと流産に関係があったと考えている」という誤った連想に誘導するものです。ポンセ医師は流産した後のツイート(2月6日)で次のように訴えています。
I do not regret my openness about vaccination or the tragic loss of my baby, but this has unfortunately made me a target for the anti-vax community. If you see my information being used by anyone other than myself, please alert me and report it as harassment.
予防接種や赤ちゃんの悲劇的な喪失についてツイートしたことについて、私のオープンさを後悔していませんが、私のツイートが、残念ながら、反ワクチン主義者達に利用されてしまいました。私に関する情報が私以外の誰かによって使用されているのを見かけたら、私に教えてください。また、「嫌がらせ」として報告してください。
https://twitter.com/SaraBelPonMD/status/1357757746267963399
ポンセ医師を巻き込んだ別のデマ
話が変わりますが、
ポンセ医師が「私のツイートが、残念ながら、反ワクチン主義者達に利用されてしまいました」とツイートしているように、ポンセ医師は別のデマにも巻き込まれています。
こちらがその別のデマのツイートです。
上画像の左の正面を向いている女性は、超音波診断の画像を手に持ちながら、新型コロナワクチンの接種を受けている妊娠中の看護師エイミー・ガイ・ウルリッヒ(Amy Guy-Ulrich)です。
上画像の右側はポンセ医師のツイートで、1つめのツイートでは妊娠14週目にワクチンを接種したと述べており、2つ目のツイートでは流産したことを述べています。
デマッターはこの別人の2人を同一人物と偽って(間違えて?)、左の女性ウルリッヒさんがワクチン接種後に流産したというデマを流しました。
ウルリッヒさんも妊娠していたのは事実ですが、流産などしていません。
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