デマと知りながらデマを垂れ流している悪質かつ不審人物が多数います。騙されないように気をつけてください。

NHKスペシャル「新型コロナ全論文解読」(2020/11/8放送)

2020年11月8日放送

新型コロナに関連する論文20万本以上をAIが解読。

冬場に感染拡大の可能性

日本において

  • 致死率1.8%、
  • 70歳以上では致死率12%=8人に1人亡くなる

という感染症はなかなかない。決して警戒を緩めてはいけない。(沖縄県立中部病院感染症内科・髙山義浩)

◆感染拡大の要因

  1. 気温低下
  2. 湿度低下
  3. 日照時間低下によるビタミンD(免疫力)低下

新型コロナが感染力を保つのは

  • 夏場(気温35度、湿度60%)で約2時間
  • 秋口(気温24度、湿度20%)で約15時間

◆なぜアジアの死亡率は低いのか?

仮説1.【交差免疫】

まだ科学的証明はできていないことではあるが、あるウイルスによって作られた免疫が別の類似のウイルスにも効いているのではないか、ということ。

ふつうの風邪(季節性コロナ)の交差免疫作用を調べた。

  • ふつうの風邪に感染したことが無い人の場合、
    新コロナ感染後に28.1%が重症化。
  • ふつうの風邪に感染したことがある人の場合、
    新コロナ感染後に4.8%が重症化。

過去、コロナウイルスの仲間のウイルスは特に東アジア地域で頻繁に流行を繰り返してきた。日本人の75%が新型コロナに反応する交差免疫を持っている可能性がある。(東京大学先端科学技術研究センター・児玉龍彦教授)

仮説2.【マスク】

マスクには感染予防効果(ウイルス量低下)があるだけでなく、免疫獲得効果が期待できる。

アメリカの病院の研究では、被験者のうち、

  • マスクをしてない人の場合、
    新コロナに感染して無症状で済んだのは約20%、
  • 全員マスクをしていた場合、
    新コロナに感染して無症状で済んだのは92.3%

に達した。

それだけでなく、無症状の全員が新型コロナに対する免疫力を獲得していた。

なぜか?

  1. マスクをしていると吸い込むウイルス量が少なくなる
  2. 抗体が少しだけ作られる
  3. 微量感染を繰り返す
  4. 免疫細胞が訓練され抗体が増えていく
  5. 免疫力を獲得する

無症状の12人で確認された抗体の量は、一般的な抗体検査の基準の3倍あった。

マスクをしていれば感染してもごく軽症で済む上に免疫を獲得できる(カリフォルニア大学・モニカ・ガンジー教授)

アメリカ・ワシントン大学の予測

  • 来年2月までに全米で死者数50万人。
  • ただし全員マスク着用なら死者数13万人減の可能性。

仮説3.【生活習慣】【感染しにくい遺伝子】

→ 真偽はまだはっきりしていない。

新型コロナ収束の決定打

新型コロナ研究の最前線の研究者14人が予測。

◆収束はいつだと思いますか?

  • 2021年に収束→9人が回答
  • 2022年に収束→3人が回答
  • 2023年に収束→1人が回答
  • 収束しない→1人が回答

◆新型コロナ収束の決定打は?

  • ワクチン
  • 抗体医薬(人工の抗体を投与、予防効果も?)
    トランプ大統領が使った抗体医薬は高価。
  • 抗ウイルス薬

※ 集団免疫という回答をした研究者はなかった。

ワクチンができないと収束は難しい(研究者の共通認識)。

ワクチンができても、突然変異というちゃぶ台返しの可能性もある。どういう状況になっても対応できるように医療体制を整えていく必要がある。(沖縄県立中部病院感染症内科・髙山義浩)

「収束する」と言っても、おそらく季節性ウイルスとしては残り続けるだろう。

◆インフルエンザ予防接種は新型コロナにも効くか?

  • あまり期待できない(国立感染症研究所・長谷川秀樹)

  • 多くのウイルスに効く広い免疫ができるのである程度効く(大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之)

新型コロナの真の脅威

報告されている後遺症は全身の様々な部位に100種類以上。(普通の風邪では考えられない症状も多い)

◆注目が高まっている症状「ブレインフォグ(脳の霧)」

頭に靄がかかったようにぼーっとなる症状。

認知機能が低下した新型コロナ患者の脳の中心部、記憶力や感情をつかさどる部分に炎症が起きていた。ブレインフォグでも同様のことが起きているのでは?

新型コロナは、口→肺の奥→Ace2という細胞の突起から細胞に侵入・感染する。

Ace2の突起は脳の中心部、脈絡叢(みゃくらくそう)にも多数存在している。脈絡叢は脳に異物が侵入するのを防ぐバリアである。
新型コロナは脈絡叢のAce2の突起から感染→バリアを破壊→ウイルスや異物が脳に侵入→脳に炎症を起こす→ウイルスが消えた後も長く後遺症が続く、と考えられる。(倦怠感が続く、思考力・集中力が落ちる等)

新型コロナで亡くなった患者3人の脳を調べたところ、1人にウイルス感染があった。脳の炎症の原因として考えられるのは

  1. ウイルス感染
  2. 免疫の暴走

普通の風邪のウイルスは呼吸器のみに感染するが、新コロナは全身に存在するAce2から感染し、100以上の全身症状を引き起こすと考えられる。
これこそが新型コロナがただの風邪とはまるで違う真の脅威である。

◆爆笑問題・田中さんが感染したときの症状

のどの痛み→頭痛→発熱→筋肉痛→嗅覚障害が順番にやってきた。人によって全然症状が違う。

◆国立国際医療研究センターの追跡調査(後遺症調査)

63人の患者について発症から60日後の後遺症を調べた。

  • 呼吸困難17.5%
  • 倦怠感15.9%
  • 嗅覚障害19.4%

◆症状が長く続きやすい人の特徴

80%が女性 平均44歳(重症患者の年齢より若い)

理由:リウマチなど自己免疫疾患は女性に圧倒的に多い。免疫が活性化しやすいのが原因か?

対策

論文から導きだされた急上昇キーワードは次の通り。

  1. 消毒技術
  2. 紫外線
    波長222nm(ナノメートル)の紫外線が人に安全で新型コロナウイルスにも効果(10秒で9割を無害化)。空気中、皮膚や物の表面上のウイルスが対象。(低濃度のオゾンガスも有効)
  3. 不活化
  4. 蒸発
  5. 加湿器
    ・湿度40~60%が最も良い
    ・加湿してる部屋はウイルスが下に落ちやすいのでよく掃除する

鼻の中が冷えるとウイルスが増殖しやすい。鼻が冷えないようにマスクも有効。

最後に

基本的な防御策をしっかり守る。新しい知識と技術が加わり、そう心配しなくても良い時期に入りつつある。(大阪大学免疫学フロンティア研究センター・宮坂昌之)