ある集団内でワクチンの接種率が上がっていくと、その集団内で感染した人がすでにワクチンを接種済みだったという割合も増えていきます。
これは必ずしもワクチンが効かなくなってきたということを意味しているわけではなく、必然的に起きることなので、デマッターに騙されないためにも、理解しておいたほうが良いでしょう。
分かりやすい解説
この記事を書いたあとに、もっと分かりやすい解説をツイッターで見つけたのでご紹介します。
「○○ではワクチンを接種した人の方が感染している!」ってやつ、大体これ。
https://twitter.com/q44bh4aD6wzu8Pv/status/1430482033562636292
こちらの解説のほうが良いかも?
実は、私は最初こちらの解説を読んだのですが、どうもよく理解できなかったので(笑)、自分で検証してこの記事を書いたわけです。
私より頭の良い方は、こちらの記事のほうが参考になるかもしれません。
前提
- 村民100人の村があるとする。
- 感染率100%のウイルスがあるとする。
- ただしワクチン接種者に対するウイルスの感染率は10%(10人に1人が感染する)とする。
- 村民1人を●で表す。
- 感染した村民を赤丸●で表す。
- ワクチン接種済みの村民の背景を■にする。
ワクチン接種率が0%の場合
- 村民100人全員が感染
- 感染した人がワクチンを接種していた確率は0%
ワクチン接種率が30%の場合
- 村民73人が感染
- 感染した人がワクチンを接種していた確率は3/73×100=4.1%
ワクチン接種率が80%の場合
- 村民28人が感染
- 感染した人がワクチンを接種していた確率は8/28×100=28.6%
ワクチン接種率が100%の場合
- 村民10人が感染
- 感染した人がワクチンを接種していた確率は100%
そもそも焦点のあて方が変
デマッターによって「感染した人のうち半分がワクチン接種済みだったじゃないか!ワクチンが効かなくなってきてる!」のように使われるこのトリックですが、そもそも焦点のあて方に問題があります。
ワクチンの感染防止効果を検証するなら、「感染した人」に焦点をあてる(母数として見る)べきではなく、ワクチンを打った人達全体の中でどれだけの人が感染したか(上図の水色の中の赤色の数や割合)を見るべきです。
そういう目で上の図を見直してみると、またイメージが違って感じられるかもしれません。
その他の参考記事
新型コロナウイルスの感染者とワクチン接種の割合についての分かりやすい解説です。「感染者の半分がワクチン接種者だった」というニュースを聞いても、落ち着いて集団全体の接種率を振り返りましょう。
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