「ウイルスが乾燥して飛沫核になるとマスクの繊維の隙間5㎛よりも小さくなるからマスクを素通りする。マスクなんて意味がない」と主張する人がいます。
このような主張をする人は、マスクを下図のように考えているようです。
しかし実際のマスクはそんなに単純な構造をしていませんね。上図よりは下図のような構造に近いと思います。
もちろん全てのウイルスを防げるとは限りませんが、吸い込むウイルスの量を激減させることはできます。
吸い込むウイルス量を減らすことにより、感染しても軽症で済むだけでなく、免疫を獲得できるという研究結果もあります。
「マスクをしていれば感染してもごく軽症で済む上に免疫を獲得できる」
NHKスペシャル「新型コロナ全論文解読」(2020/11/8放送)
コロナウイルスの飛沫核の大きさは約100㎚(ナノメートル)=0.1㎛(マイクロメートル)と言われていますが(コロナウイルスとは – 国立感染症研究所)、一般的な不織布マスクは複数層になっているだけでなく、静電気やファンデルワークス力によって、ウイルスを繊維に吸着して防ぎます。
実は、マスクのフィルターとしての効果は、”ふるい”として網目より大きな粒子を引っかけることではなく、静電気やファンデルワールス力により繊維の表面に粒子を付着させることで効果を発揮しているのです(日本エアロゾル学会)。
マスクには感染拡大を抑える効果がないと考えている人たちの「ウイルスは小さいのでマスクの繊維の隙間を通り抜ける」という説明は、根本的に間違っているのです。むしろ、粒子が小さくなるほど静電気の力やファンデルワールス力で繊維に吸着しやすくなります。
また、ウイルスが乾燥して飛沫核になると、多くの場合はその感染性を失うとも言われています。